説明の中にある油脂や精油についての記述は、栄養学、医学、アロマテラピー等で言われているものですが、当店の石鹸についてうたうものではございません。
 
  油 脂
 アプリコット核油(アプリコットカーネル油)
 杏の種子の中にある核(仁)から搾られるオイル。
 アロマテラピーのマッサージオイルとして使用され、化粧品の材料としても使われます。
スイートアーモンドオイルと成分がよく似ていますが、スイートアーモンド油よりオイルの寿命は長いです。
 アプリコット核油を使った石けんは、とてもなめらかな質感になります。スイートアーモンド油よりもやや粘性のある感じです。
 当店ではアプリコット核油は未精製のものを使用しています。
 アボカド油
 アボカドの果実を搾って作られるオイル。未精製のものは果実の色である緑色をしています。精製されたものはごく淡い黄色です。
 アボカド油はレシチンやビタミン類を豊富に含んでいます。
 化粧品の材料として多く使われており、また低刺激なので北米ではベビー石鹸のオイルとして好まれているそうです。
 アボカド油で作った石けんは、数種類の石けんを並べておくとなぜかこの石けんに手がのびてしまう魅力を持っています。
当店では、未精製のアボカド油及び精製されたものの両方を使い分けております。
 エミュ油
 オーストラリアに生息するダチョウによく似た鳥エミュからとれる動物性油脂。現地では古くから使われていました。
 成分組成は馬油と似ていますが、パルミトレイン酸の含有量は馬油より少ないです。馬油と同様、動物油脂の中でも寿命が短いオイルと言われていますが、メインに使わなければ、不都合を感じるほどの短さではないと思います。エミュ油は大変高価なため、ベースオイルとして使うより、オプションとしてトレース後に使うという使い方をよくしますが、その石けんの酸化が特別に早いと感じたことがないからです。
 エミュ油はヨウ素価(*)が50〜80と低いところから見ても(マカダミアナッツ油、ラードと同程度)、非常に酸化が早いというわけではないような気がします。
 ただ、エミュ油には遊離脂肪酸が5%前後含まれているそうで、これが油脂の酸化を早める要因となっているのではないかと個人的に思っています。
 エミュ油を使った石けんは、とてもなめらかでしっとりとした質感になります。植物性バターを加えた石けんとも少し違う、独特のなめらかさが加わります。
* ヨウ素価:油脂を形成している脂肪酸の不飽和の度合いの測定値。脂肪酸の不飽和の値が大きいほど、その油脂は酸化が早い傾向があると言えます。例えば、安定した油脂であるココナツ油のヨウ素価は9、オレイン酸が豊富なオリーブ油は80〜90、寿命の短い月見草油は140〜170、ククイナッツ油は192〜193。(ただし、ビタミンEなどの酸化を防ぐ物質を成分として含有しているかなど、他の要因によってその安定性は変わるので一概には言えません)
 オリーブ油
 オリーブの果実を搾って作られる油。手づくり石鹸の定番ともいえるオイル。不鹸化物としてスクワレンを含有しています。
 特有の香気があるため、マッサージ油としては必ずしも好まれませんが、油脂に適度な粘性があること、豊富に含まれるオレイン酸の洗浄作用で高品質な石鹸ができます。
 オレイン酸は石鹸となったとき、低温でも洗浄力を発揮する成分です。
 オリーブ油をベースにした石けんは、泡立てネットを使うと、もっちりとしたきめ細かで弾力のある泡立ちになります。また、オリーブ油100%の石けんは、それまでの石けんの概念が覆るような強い印象を使う人に与えます。
 ただ、オリーブオイルの石けんは、出来上がりは結構固いのですが、使い始めると溶け崩れしやすいのが難点です。
 オリーブ油は、人によっては過敏症を起こす可能性のある油であるという報告があり、合わない方もおられるようです。
 当店では、エクストラヴァージン油と、インフューズドオイル(抽出油)及び白い外観の石けんを作る場合は精製オリーブ油(食用)を使用しています。
 カメリナ油
 アブラナ科のCamelina sativaの種子から搾られる油です。
 カメリナ油はエイコセン酸を15%前後含むという、植物油としては珍しい脂肪酸組成があります。エイコセン酸はマッコウクジラやサメなどの海洋動物に含まれる脂肪酸です。カメリナ油の際立った特質は、このエイコセン酸の含有によるところが大きいようです。
 カメリナ油はリノール酸、リノレン酸の含有が多いオイルですが、豊富なビタミンなどの抗酸化物質を含むため、オイルの状態では長期保存が可能です。
ただし、石けんというアルカリの状態におかれると、これらの抗酸化作用が不安定になるため、寿命が短かくなることが予想されます。カメリナ油を使用した石けんの保管には注意したほうがよいと思います。
 ククイナッツ油
 トウダイグサ科の樹木で、ハワイ州の木に指定されています。この木の実を搾った油がククイナッツ油で、淡い黄色の透明でさらりとしたオイルで、軽やかな石けんになります。
 ククイナッツ油は無毒で安全なオイルです。
 ククイナッツ油を10%から20%ほど石けんの材料として入れると、その違いが感じられます。ただ、このオイルには多価の不飽和脂肪酸(リノール酸、リノレン酸)が多く含まれるため、とても酸化しやすく、20%使用した場合、石けんの変質が大変早いです。
 コクムバター
 コクムバターはインド地方にあるGarcinia indica(マンゴスチンの一種)の実から採れる植物性バターです。
 成分中ステアリン酸が飛びぬけて多く、植物性バターの中でも特に硬い石けんを作る作用がありますが、多く使用すると使いにくい石けんになるので、当店では5%前後の使用に留めています。
 ココナッツ油
 ココヤシの実から採れる油で、飽和脂肪酸を多く含み、とても安定性が高く、泡立ちのよい石けんになります。
 ただし、この油は、皮膚を刺激するカプリル酸、カプリン酸を含んでいるため、石けんへの配合は20%に留めることが基本となっているそうです。
 当店ではこの点に配慮して、カプリル酸、カプリン酸の石けんへの配合割合が高くならないようにしています。
 ココナッツオイルには特有の甘い香りがあります。当店では香りのない、精製した食用のオイルを使用しております。
 サルバター
 サルバターはサルの木と呼ばれるShorea Robustaの果実の核(仁)からできる植物性バターです。
 石鹸の材料に使用すると、なめらかでリッチな質感になるとともに、硬い石けんを作る手助けをします。また、変質しにくくとても安定したバターです。
 シアオイル
 シアバターを製造する過程でできる常温で液体の油脂をシアオイルといいます。軽い質感のオイルで、融点が低く、ホホバオイルを冷蔵庫に入れると固体になるのに比べ、こちらは冷蔵庫の中でも液体のままです。
 シアバター
 アフリカ原産のシア(カリテ)の木の果実からとれる植物性バターで、ガーナ、アイボリーコースト等のものが有名です。シアバターの油分の中には有用な不鹸化物が他に比して多いバターです。
 良質なシアバターを使った石けんは、一層クリーミーでしっとりとした質感になり、またシアバターに含まれるステアリン酸が、石けんを硬くしっかりしたものにする手助けをします。反面、多く入れすぎると、泡立ちが悪くなってしまいます。これは、マンゴーバター、サルバターなども同様です。
 当店では、未精製の生シアバターを主に使っておりますが、石けんの種類によっては精製されたシアバターも使用する場合があり、その際はその旨明記いたします。
 スイートアーモンド油
 ナッツでおなじみのアーモンドを搾って作られるオイル。食用のほか、マッサージオイル、化粧品、医薬品の材料として幅広く使われています。
 淡い黄色をした油で、適度な粘性があり、アロマテラピーのマッサージオイルとして大変優れています。また、ナッツアレルギーの人を除けば、無刺激、無感作性の安全なオイルです。
 アプリコット核油、ヘーゼルナッツ油と成分が非常によく似ており、アロマテラピーでは同様の使われ方をしています。
 スイートアーモンド油を使った石けんは、非常に軽やかでやさしい質感の石けんになります。特に低温圧搾のものは精製のものよりもこの特長がよく現れます。ヨーロッパでは伝統的にベビー石けんに使われてきたオイルだそうですが、北米でベビー石けんに使われるアボカド油の石けんと相通じるやさしさが感じられます。
 当店では主に定温圧搾スイートアーモンド油を使用し、種類によってはオーガニックのものを使用した石けんも作っております。
 月見草油(イブニングプリムローズ油)
 北アメリカ原産の月見草(マツヨイグサ)の種子を搾って作られる黄色のオイルです。
 オイルのときにはさほど感じませんが、石けんになるとややくせのある匂いを感じます。
 この油は不飽和脂肪酸を高い割合で含んでいるため非常に不安定なので、石けんに使うのはもってのほかと思うところですが、成分中にγリノレン酸を含んでいることで注目を集め、手づくり石けんにも使われるようになりました。
 月見草油を使った石けんは、ライトな質感です。油に多く含まれるリノール酸、リノレン酸が石けんになった場合の特徴と思われます。また、泡持ちが軽いので、やや水っぽい泡になります。
 椿油
 椿の実を搾って作られる油です。日本では昔から髪の油として広く使われてきました。オリーブ油と成分組成が似ており、似たような質感の石けんになります。油の安定性はオリーブ油より優っています。
 また、椿油を使った石けんは、白くきれいな石けんになりますが、溶け崩れの点などはオリーブ石けんと同様です。
 馬油
 馬油は民間治療薬として広く使われてきました。馬油はパルミトレイン酸を比較的多く含み、動物性油脂の中ではとてもさらりとした油脂です。これは馬油の成分組成が人の皮脂とよく似ており、また融点が低いためでもあります。
 馬油をメインに使った石けんは、出来上がりの硬さはよいのですが、使っているとゼリー状にとろけやすい傾向があります。これは石けんを硬くする牛脂やラードと違い、馬油が上記のような性質を持っているためでもあると思います。
 パーム油
 パームヤシの実を搾って作られたオイル。未精製のものはオレンジ色をしており、レッドパーム油と呼ばれています。精製されたものは白く、(ホワイト)パーム油と呼ばれています。パーム油は石けんに硬さを出し、溶け崩れを防ぐために使われます。
 パーム油を多く使うと、白く、なめらかで硬くきれいな外観の石けんになりますが、のっぺりとした質感になるため、当店ではなるべく少なめに使うようにしています。
 レッドパーム油はカロチンやビタミンを多く含み、石けんがきれいなオレンジ色になりますが、明るいところに長く置くと色あせていきます。また、ホワイトパーム油よりやや柔らかい石けんになります。
 当店では食用に精製されたパーム油及び食用のレッドパーム油を使用しています。
 パーム核油(パームカーネル油)
 パームヤシの核を搾って作られたオイル。成分組成がココナッツ油と大変よく似ており、ココナッツ油と同様、石けんの泡立ちをよくするために配合されます。
 融点がココナッツ油よりやや高く、ココナッツ油が夏場は液体になるのに比べ、パーム核油はクリーム状の固体にとどまっています。(当店のある信州南部の場合)
 しかし、石けんにした場合はこれと異なり、ココナッツ油を使った石けんのほうがやや硬く出来上がり、パーム核油のほうは、まったりとした質感になります。
 店主はパーム核油の質感を比較的好むのですが、泡立ちの点でココナッツ油の良さも捨てがたく、ミックスして使用したりしています。
 当店ではパーム核油は食用の精製油を使用しています。パーム核油には独特のにおいがあると言われていますが、精製油の場合、当店が使用する分量ではにおいの影響はありません。
 ひまし油(キャスター油)
 ヒマ、トウゴマと呼ばれるトウダイグサ科の植物から搾られる油。成分にリシノール酸を多く含み、粘性の高いどろりとした油です。
 リシノール酸には水分と親和する性質があります。また、この油の高い粘性は泡立ちをよくすることに貢献し、なめらかで透明感のある石けんを作ります。
 また、ひまし油には香りを保留する作用があるので、精油の香りの持ちがよくなります。
 ヘーゼルナッツ油
 ヘーゼルナッツ(はしばみ)の実を搾って作られる油。琥珀色をしており、ナッツの香りがします。スイートアーモンド油とよく似た性質を持ち、同様の使われ方をします。
 あるメーカーのデータでヘーゼルナッツ油には20数%のパルミトレイン酸が含まれるとあり、それを参考にした書籍(「化粧品用油脂の科学」など)にはそのように紹介されていますが、これは通常流通しているヘーゼルナッツ油ではなく、別種のチリ・ヘーゼルナッツ油(Chilean hazelnut oil)のデータです。
 アロマテラピーで通常使用され、当店で石けんの材料として使用するヘーゼルナッツ油は、パルミトレイン酸の含有量は1%以下で、その分オレイン酸の含有量が多くなっています。
 でも、パルミトレイン酸のことを考えなくても、ヘーゼルナッツ油は石けんにするのにとても素晴らしい油です。スイートアーモンド油とも少し違う、つるんとした質感と軽やかな泡立ちの石けんになります。
 ただし、ヘーゼルナッツには、アレルギーの中でも特に重大な、アナフィラキシーを起こす原因となる場合があるので、ナッツにアレルギーのある方は注意が必要です。
 当店ではヘーゼルナッツ油は、アロマテラピーで使われる低温圧搾のものと、精製油を使い分けております。
 ヘンプシード油
 麻の種子を搾って作られる油。未精製油は緑褐色をしています。日本ではあまり普及していませんが、γリノレン酸を含んでいることと、必須脂肪酸の構成が栄養学的に最高の条件を満たしているため(オメガ6とオメガ3の比率が3:1)、海外では健康食品として流通しているそうです。
 ヘンプシード油を使った石けんは、つるつるとした質感になります。このオイルは月見草油と同様に多価の不飽和脂肪酸を非常に多く含んでいるため酸化が早く、石けんも変質が早いのが難点です。
 ホホバオイル
 ホホバの木は、カリフォルニアからメキシコにかけて自生しており、この木に実る種子から搾った油は伝統的に利用されてきました。現在は世界各地で栽培されています。ホホバオイルと呼ばれますが、正確にはワックスです。これは脂肪酸の結合がトリグリセリド(トリアシルグリセロール)という三鎖の形(油脂の構造)でなく、脂肪族アルコールのエステルという単鎖(ワックス)の形を主としてとっているからです。
 人の皮脂にも20〜25%のワックスエステルが含まれ、その分子構造がホホバオイルとよく似ています。 
 ワックスの持つ性質上、酸化・変質しにくいので、オプションとして加えるのに適しています。
 ただ、やはり分量が多いとホホバ特有のヌルヌル感が出るので、好みが別れるところでもあると思います。実は店主もホホバオイルの使い方は、少しだけ加えてしっとり感をプラスするのが好きです。
 当店で使用しているホホバオイルは、精製されたものでなく、栄養分をたっぷり含んだゴールデンホホバです。
 マカダミアナッツ油
 オーストラリア原産ですが、ハワイ土産でもおなじみのマカダミアナッツからとれる油脂。
 人、特に若者の皮脂に含まれるパルミトレイン酸を18〜25%含有するという際立った特長のあるオイルです。
 また、マカデミアナッツ油は経皮吸収に優れており、そのなじみのよさはヴァニシングオイル=消えてなくなるオイルと呼ばれるほどです。石けんにした場合もその特性がよく出て、すっとなじむような、するするとすべりのよい滑らかな質感になります。
 これらの優れた特性を備えつつ、更にマカダミアナッツ油は保存性がとてもよいという長所を持っています。メインオイルとして使うと酸化しにくく、寿命の長い石けんになります。
 未精製のマカダミアナッツ油には、とても香ばしいナッツの香りがあります。スイートアーモンドやヘーゼルナッツよりも香りが強く、石けんにも香りが残ります。また、石けんへの配合比率が高いと、ほんのりとサーモンピンクに色づいた石けんになります。
 当店ではマカダミアナッツ油は、アロマテラピー用の未精製のものと、精製されたものの両方を使い分けております。
 マンゴーオイル
 マンゴーオイルはマンゴーオレインとも呼ばれ、マンゴーの核からオイルを搾った際にできる、半固体の部分です。固体の部分からはマンゴーバターが作られます。
 マンゴーオイルはマンゴーバターとよく似た性格をしており、「オイル」の名前がついていますが常温で半固体です。やわらかなマンゴーバターという感じがします。
 マンゴーオイルを入れた石けんはつるつるしっとりとした質感になり、また石けんを固くする作用があります。
 マンゴーバター
 マンゴーの種子の核から作られる植物性バター。シアバターと組成がよく似ており、シアバターと同様の使われ方をしますが、マンゴーバターはシアバターよりパルミチン酸とステアリン酸をやや多く含むため、シアバターより少し硬さが出ます。
 また、未精製のシアバターに較べて特有の香りが少ないので、香りづけの妨げにも比較的なりません。
 モーラバター(Mowrah butter)
 モーラバターは、インドのMadhuca latifoliaという木の果実からできる植物性バターです。種子の核から、淡いクリーム色のバターが作られます。ほんのりとフルーツ香のする、やわらかくなめらかなバターです。
 インドでは食用にする他、化粧用として使われているそうです。
 このバターはあまり知られていませんが、使ってみてとても素晴らしいバターだと思います。シアバターやココアバターより融点が低く、指にとるとスッと融けます。使い勝手はアボカドバターと似ており、石けんに加えると、クリーミーでとろけるような質感がプラスされます。
 脂肪酸組成は、シアバター等に較べるとステアリン酸が半分以下、代わりにパルミチン酸が20%程度あり、エミュオイルとよく似ています。そういえば、石けんの質感のなめらかさに相通じるものがあるかもしれません。
 ローズヒップ油
 バラの種子を搾ってとれるオイルで、チリ産のRosa rubiginosa種のものが広く流通しています。Rosa rubiginosaは店主も育てているバラですが、以前はロサ・エグランテリアと呼ばれていました。まだこちら名前のほうが知られているかもしれません。葉にも青リンゴのような香気があり、「雨上がりには、葉の香りが庭を満たす」という紹介文に憧れて植えたバラで、秋になるとたわわにローズヒップ(バラの果実)をつけます。このヒップの中に種子がびっしりと詰まっています。
 ローズヒップ油は金色をしており、カロチノイド等の豊富な栄養分を含みます。
 ローズヒップ油も月見草油と同様に非常に寿命の短いオイルと言われています。脂肪酸組成やヨウ素価から見ると月見草油より酸化が早いように見えますが、石けんにした場合、月見草油よりもやや寿命が長いのではないかと感じています。これは、ローズヒップ油に豊富に含まれるという栄養分が関係しているためかと思います。
オプション
 はちみつ
 みつばちが集めた花の蜜によっていろいろな種類のはちみつがあります。栄養価が高く、味、香り、色合いがそれぞれ異なり、石けんに入れたときも、出来上がりの色などが微妙に違ってきます。
一般的にはちみつを加えた石けんはしっとり感がよりアップし、また糖分が石鹸の泡立ちをよくする働きをします。
 ただし、入れすぎると石けんがやわらかくなり、保温中の温度が急激に上がるため、失敗の原因となります。
 はちみつを入れた石けんはベージュ色の石けんになりますが、その色合いははちみつの種類や分量、また保温中の温度などにより違いが出てきます。
 はちみつは、味わいやうつくしい質感を変えないよう、高温で加熱殺菌されていないものがほとんどです。みつばちがボツリヌス菌で汚染された花の蜜を運んできたりすると、ボツリヌス菌の入ったはちみつになってしまいます。
 ボツリヌス菌は土の中に存在する菌で、珍しい菌ではありませんが、嫌気状態にあると毒素を出し食中毒の原因となります。土がついた野菜などが菌で汚染されていたとしても、空気に触れているので大丈夫なのですが、密閉されたハム・ソーセージなどが汚染されていると食中毒の原因となります。
 また、1歳未満の乳児はボツリヌス菌に対する抵抗力がないため、ボツリヌス菌を口にすると腸内で繁殖し、乳児ボツリヌス症が起きます。1歳を過ぎ、腸内細菌がしっかりと定着してくるとボツリヌス菌が入っても腸内細菌が繁殖を阻止してくれるようになります。
 山羊乳(ゴートミルク)
 山羊乳は、栄養分が人の母乳とよく似ており、また乳脂肪の脂肪球が牛乳より小さいため、消化吸収がよく、大変優れたミルクです。
 当店の石けんの材料となる山羊乳は、近所のおばあちゃんが草を食べさせて可愛がっている2頭の山羊からしぼられた、新鮮なものです。
 夕方、しぼられたばかりの山羊乳が届くと、店主は急いでミルクの入ったガラスビンを湯せんにかけ、湯温を62~65度に保ちながら30分間低温殺菌します。
 これで飲用OK。石鹸にも安心して使えるミルクになります。
 また、これに乳酸菌を加えて1日おけば、山羊乳ヨーグルトが出来上がります。山羊乳の脂肪球は牛乳よりも小さくきめ細かいので、とてもやわらかくてソフトなヨーグルトです。
 これらを使った石けんは、当店自慢の石けんです。